裁量労働制に関する政府の調査データ問題をめぐり、自民党の森山裕国対委員長は26日、立憲民主党の辻元清美国対委員長と国会内で会談した。政府として調査結果を精査する方針は伝えたものの、同制度の対象拡大を含む「働き方改革」関連法案の今国会提出断念など野党6党の要求に対しては何も答えず、事実上拒否した。政府・与党は法案提出を譲らない構えだ。野党側はこれに強く反発。与野党対立のあおりで2018年度予算案の衆院通過は28日以降にずれ込む見通しだ。
異常値、新たに233件=安倍首相「データ撤回せず」-労働時間調査
安倍晋三首相は26日の衆院予算委員会で、「(裁量制拡大の)要望に応える必要があるので、法案の提出準備を進めている」と強調した。
立憲、希望、共産など6野党は23日の与野党幹事長会談で、政府が裁量制拡大の根拠に使った13年度の「労働時間等総合実態調査」にデータ誤用や多くの異常値が発覚したことを踏まえ、(1)法案の提出見送り(2)調査のやり直し-を求めていた。
森山氏は、自民党・二階俊博、公明党・井上義久両幹事長の連名による回答書を辻元氏に手交。回答は「政府もデータの精査や可能な部分の開示に真摯(しんし)に対応する意向を示している。与党としても引き続き国民に対する説明責任を果たすよう申し入れていく」との内容にとどまり、野党の要求への直接の言及はなかった。
これを受け、6野党は幹事長会談を開き、「回答として認められない」との立場を確認。26日夜に与党幹事長と会談して再考を促した。与党側が対応を改めるまで、6野党は衆院の予算、総務、財務金融3委員会で予算案と関連法案の審議・採決日程の協議に応じない方針だ。政府は与党内からの批判を踏まえ、裁量制拡大部分の施行の1年延期などを検討しているが、再調査には応じない姿勢だ。(2018/02/27-00:45)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018022600743&g=pol
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