学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、愛媛県が新たな記録文書を参院に提出した。学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相と2015年に面会し、学部の新設計画を説明したという記載がある。首相の答弁と大きく食い違う内容で、関係者を国会に招致して経緯の解明を急ぐべきだ。
愛媛県の文書は15年3月付で、加計理事長と首相が同年2月25日に15分程度、面談したと記している。「国際水準の獣医学部を目指すことなどを説明」「首相からは『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』とのコメントあり」などと記録されている。
文書は当時の柳瀬唯夫首相秘書官(現経済産業審議官)が同年3月24日、4月2日に自治体や学園関係者と会い、加藤勝信官房副長官(現厚生労働相)も同年2月に面談したとしている。
首相は親友である加計氏との関係について「私の地位を利用して何かを成し遂げようとしたことは一度もない」「学部新設の計画を知ったのは17年1月20日」と国会で繰り返し答弁した。
首相は22日、記者団に「指摘の日に加計氏と会ったことはない。念のために官邸の記録を調べたが確認できなかった」と語った。学園側も愛媛県の文書の記載内容を否定する談話を出した。
文書の記載がどの程度正確なのかは分からない。しかし獣医学部新設のため国家戦略特区に認定する過程で、文部科学省や愛媛県から首相と加計氏の関係に触れる資料が次々と見つかるのは異例の状況だ。一方で誘致先の同県今治市の記録も明らかにしてほしい。
野党は「首相の答弁が嘘ならば内閣総辞職に値する」と強く批判し、改めて加計、柳瀬両氏の証人喚問、愛媛県の中村時広知事の参考人招致を求めた。
加計問題が国会で取り上げられてすでに1年以上たつが、特区認定が公平だったのかどうかの疑念は晴れていない。与野党は当事者に事実を確かめ、行政のゆがみを正していく責任がある。
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO3084423022052018EA1000/
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