30日
17時55分
5分31秒
浮上きっかけは“類似事件” 14年前の女児殺害事件
2004年、岡山県津山市で9歳の筒塩侑子さんが殺害された事件で、別の事件で服役していた39歳の男が殺人の疑いで逮捕されました。事件から14年たっての急展開です。
手話を交えながら、懸命に歌を歌う少女。2004年9月に9歳で命を奪われた筒塩侑子さん。このクラス会の様子が撮影されてから、わずか半年後。侑子さんは岡山県津山市の自宅で胸などを刺され殺害されました。あの日から14年。
「午前9時半、勝田容疑者を乗せた車が収監されていた岡山刑務所を出発していきます」(記者)
未解決だった事件は30日、急展開。別の殺人未遂事件で逮捕・起訴され、刑務所で服役していた勝田州彦容疑者(39)が、筒塩さんを殺害した疑いで逮捕されました。30日朝行われた警察の会見。
「職業無職、勝田州彦39歳を殺人容疑で通常逮捕しました」(岡山県警の会見)
警察は、不審者の洗い出しなど現場をくまなく捜査してきたと説明しましたが、逮捕の決め手となったのは・・・
「類似の手口の事件を精査しましたところ、勝田が容疑者として浮上するに至った」(岡山県警の会見)
類似の手口による事件とは一体。実は勝田容疑者は、幼い女の子や女子生徒ばかりを狙う事件を度々起こしていました。侑子さんが殺害される4年前の2000年。勝田容疑者は10歳前後の複数の女児に対し、腹を殴ったり、下着の中に手を入れたりした暴行と強制わいせつの容疑で逮捕されていました。
2009年には兵庫県姫路市で小学1年生の女児を殴打。女児は肝臓から出血する重傷を負いました。この事件で懲役4年の実刑判決を受けた勝田容疑者。服役し、出所したあとも、“凶行”はエスカレートしていきます。
勝田容疑者は2015年、当時14歳だった中学3年生の女子生徒の胸や腹などを突然、ナイフで複数回刺すという殺人未遂事件を起こしたのです。勝田容疑者は、面識がなかった女子生徒の顔を確認、好みと判断したあと、15分も追いかけ回し、狭い路地に先回りして待ち伏せたうえ、犯行に及んでいました。のちの裁判で明らかになった動機は、驚くべきものでした。
「少女の腹部を刺して、シャツが血で染まるのを見たいという特異な性癖に基づき、女子中学生を無差別に狙いナイフで刺した」(裁判官)
勝田容疑者は殺人未遂の罪で懲役10年の実刑判決を受けました。未成年の女性ばかりを標的にした事件。侑子さん殺害事件の前後に繰り返された事件が勝田容疑者浮上のきっかけとなったのでしょうか。
「専従捜査員が同種の犯罪を、一つの県から他の県に広げたり、警察署を他の署に広げて、同種の犯罪で捜査する。性的な犯罪だったら性的な犯罪。子どもに対する犯罪なら子どもに対する犯罪。同種の犯罪を広げて捜査する」(元兵庫県警刑事 飛松五男氏)
さらに、「刑務所で服役している別の事件の犯人などにも捜査範囲を広げることがある」といいます。
「どうか皆様、わずか9歳で非道な刃に散った侑子の思い出を、いつまでも忘れないでいただけるなら、幸いです」(告別式 2004年9月 侑子さんの父 筒塩勝義さん)
告別式で涙ながらに侑子さんへの思いを話した父の勝義さん。容疑者逮捕の一報を受け、コメントを発表しました。
「犯人が捕まらないまま14年近くが経過してきたわけですが・・・侑子のことを考えなかったことはありません」(侑子さんの親族)
卑劣な犯行の動機は何だったのか。
「刃物で刺したというところ以外は、僕がやったことに間違いありません」
取り調べに対し、勝田容疑者は、侑子さんの首を絞めたことは認めているということですが、殺害や刃物で刺したことは否認しています。
「14年という期間がかかったことは、被害者や遺族に申し訳なく思います」(警察幹部)
逮捕発表の会見でこのように述べた捜査幹部。警察は30日朝、勝田容疑者の自宅を捜索していて、全容解明を急ぐ方針です。
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