2018年5月28日月曜日

「加計氏会った会わない無関係」特区認定で

 安倍晋三首相は28日の衆参両院の予算委員会集中審議で、学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡り、愛媛県文書に記載されている2015年2月25日の加計孝太郎理事長との面会について「お会いしたことはない」と改めて否定した。文書については「(学園関係者からの)伝聞の伝聞に過ぎない」と信ぴょう性に疑義を呈し、国家戦略特区の認定に「私と加計氏が会ったか会わなかったかは全く関わりがない」と強調した。

 県文書を巡っては、学園が26日に「担当者が実際にはなかった面会を引き合いに出し県と(今治)市に誤った情報を与えた」とのコメントを発表した。首相は予算委でこれらを繰り返し引用して面会を否定。発表について学園から事前に連絡はなかったと語った。

 15年2月25日前後に加計氏と電話したかについて、首相は「3年前に友人と電話で話したかどうかについては正確にお答えすることはできない」と述べた。ただ、問題が浮上した昨年以降は電話を含めて話していないと説明した。

 一方、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡っては、財務省が23日に公表した学園側との交渉記録に、首相の妻昭恵氏付の職員が財務省に問い合わせた記述がある。首相は「制度に関する問い合わせだ」と問題はなかったとの認識を示し、「私や妻が払い下げや認可に一切関わっていない」と繰り返した。ただ、麻生太郎副総理兼財務相は、交渉記録に関し「また出てくるかもしれない。見つかったものは全て提出した」と述べ、さらに見つかる可能性に触れた。

 首相はこれまで「私や妻、事務所が関わっていれば、首相も国会議員も辞める」と否定してきた。しかし、この日は「贈収賄は全くない、という文脈で一切関わっていないと申し上げた」と説明。「関与」の範囲を贈収賄に問われるような場合に限定したとみられる。

 野党は交渉記録の廃棄や決裁文書改ざんの責任を取って麻生氏を辞任させるよう要求。首相は「組織を立て直し、国民の信頼を回復することによって責任を果たしてもらいたい」と語り、引責辞任は必要ないと表明した。

 ただ、加計、森友問題の一連の不祥事の「うみ」を出し切れたかと追及されると「まだ国民は、そうは考えていないだろうと思う」と述べた。【松倉佑輔】

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https://mainichi.jp/articles/20180529/k00/00m/010/109000c

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