森友学園と加計学園の問題を巡って安倍晋三首相への追及が続いた28日の衆参予算委員会の集中審議。政府の説明と食い違う新たな文書が明らかになり、疑惑の解明が焦点となったが、安倍首相は「新しい事実がない」と自身や妻昭恵氏の関与を否定する答弁を繰り返すのみ。野党側は「うみを出し切っていない」と反発したが、追及も決め手を欠いた。
森友学園への国有地売却問題では、野党側は、財務省が23日に国会提出した学園との交渉記録に昭恵氏の名前が出てくると追及。昭恵氏自らが記者会見に応じてはどうかと進言したが、安倍首相は「妻に関わることは、政治責任が伴う総理大臣として私が答えている」とかわした。
安倍首相と加計孝太郎理事長の面会が愛媛県の新文書で指摘された加計学園問題でも、野党側は2人の会食やゴルフの費用はどちらが負担したかを繰り返し質問。安倍首相は「食事をごちそうしてもらいたいから(獣医学部新設の)国家戦略特区を特別にやるなんて考えられない。印象操作としか言いようがない」と気色ばんだ。
一方の与党議員からは、「地元に帰ると『国会はモリ・カケ問題ばかりやってるな』と怒られる」などと、安倍首相を擁護する意見も相次いだ。与党側からの質問は外交分野にも及び、安倍首相は、いら立ちを見せる場面もあった野党への答弁とは対照的に、日露首脳会談の成果などを得意そうに述べた。
安倍首相は、森友学園が建設を計画する小学校の名誉校長が昭恵氏だったことには「国民から疑念を抱かれて当然。思いが至らず反省している」と謝罪したものの、それ以上、新たな事実は引き出せないまま。野党議員からは昭恵氏や加計氏の国会招致を求める声が相次いだが、堂々巡りの議論が続いた。【飯田憲、蒔田備憲】
https://mainichi.jp/articles/20180529/k00/00m/010/045000c
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