自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長は29日、千葉市で行われた「ニコニコ超会議」の討論会で、テクノロジー(科学技術)と政治を融合した流れを「ポリテック」と自ら命名し、自民党内で積極的に推進していく考えを示した。

 気鋭のメディアアーティスト落合陽一氏、夏野剛・慶大特別招聘教授との白熱討論で明かした。「ポリティック(POLITECH)」とは、POLITICS(ポリティクス=政治)とTECHNOLOGY(テクノロジー)の文字を掛け合わたせたもの。約2週間前、落合氏との昼食でラーメンを食べながら構想を明かし、2人は「ポリテック」の推進で意気投合したという。

 進次郎氏は、「テクノロジーは無視できない大きな分野になっている。今まで政治の世界で必須の勉強分野は、外交、防衛、外交、経済、社会保障だったが、(今後は)加えてテクノロジーの分野が必要になる・必ず理解しないといけない時代に入った」と主張。「政治とテクノロジーが当たり前に語られる環境をつくれば、政治の世界での意思決定や執行におけるスピードを増し、コストも減る。納税者の負担をなくすことにもつながる」と述べた。

 今の政治では、会議にスマートフォンを持ち込みづらい環境があると進次郎氏が話すと、夏野氏は「G7やG20などの国際会議では、パソコンを開くのが当たり前。ポリテックの意識があってこそ、ハンディキャップはゼロになる。(その意識が)ないとますます厳しい」と指摘。落合氏も「テクノロジーと政治が手を取り、問題を解決しようということだ」と述べた。

 自身が委員長を務める農産物輸出に関する自民党内の委員会でも、資料をフェイスブックにアップする手法を始め、将来の完全ペーパーレス化を目指している。今はまだ「紙の資料を少しずつ減らしている」状況でもあり、「テクノロジーが政治に入っていくことを当たり前にしたいという思いが伝われば」と、今後の浸透に意欲を示した。「何か(浸透の場を広げる)場をつくり、ベテランの方にトップになってもらう。僕が支えるのもいい」と、体制構築の構想も明かした。

 終了後、取材に応じた進次郎氏は「可能性は無限大。ポリテックは女性活躍と同じで、多様性の1つ。女性の観点やテクノロジーができることを含めて、意思決定されることが大事だ」と述べた。落合氏も「おれたちの国では(これから)人、モノ、カネが減っていく。人、モノ、カネで対処できないものを、テクノロジーが対処する。アプローチとしては筋がいい」と、足並みをそろえた。