地下鉄サリン事件などに関わった、オウム真理教の元幹部6人の死刑囚の刑が7月26日に執行されたのを受け、駐日欧州連合(EU)代表部、EU加盟国の駐日大使、アイスランド、ノルウェー、スイスの駐日大使は、死刑廃止を訴える共同声明を発表した。
声明では、事件の被害者や家族に「心からの同情を表し、苦悩を共有し、加害者が誰であれ、またいかなる理由であれ、テロ行為を断じて非難する」とした上で、死刑については「いかなる状況下での極刑の使用にも強くまた明白に反対し、その全世界での廃止を目指している」と言及。日本政府に対し、死刑を廃止することを視野に入れた死刑の執行停止の導入を呼びかけた。
EUは、加盟の条件として死刑廃止を掲げており、すでに28カ国が死刑を廃止している。
6日に麻原彰晃(本名・松本智津夫)元死刑囚ら7人が刑を執行された際にも連名で声明を出していた。
声明の全文は次の通り。
https://www.huffingtonpost.jp/2018/07/26/eustatement_a_23489909/7月26日、6人の死刑が、日本の当局により執行された。刑が執行されたのは1995年に東京の地下鉄で実行された、サリンによるテロ攻撃の犯人であることが判明したオウム真理教のメンバーであった。
われわれの7月6日の声明で示したように、EU、その加盟国、アイスランド、ノルウェーおよびスイスは、同事件が、日本そして日本国民にとってとりわけ辛く特殊な事件であることを認識している。われわれは、心からの同情を表し、犠牲者とその家族の苦悩を共有し、加害者が誰であれ、またいかなる理由であれ、テロ行為を断じて非難する。
しかしながら、本件の重大性にかかわらず、EUとその加盟国、アイスランド、ノルウェーおよびスイスは、いかなる状況下での極刑の使用にも強くまた明白に反対し、その全世界での廃止を目指している。死刑は残忍で冷酷であり、犯罪抑止効果がない。
さらに、どの司法制度でも避けられない、過誤は、極刑の場合は不可逆である。日本において死刑が執行されなかった2012年3月までの20カ月を思い起こし、われわれは、日本政府に対し、死刑を廃止することを視野に入れたモラトリアム(執行停止)の導入を呼びかける。
われわれは、友人であり同じ考えを持ち、価値や原則を共有する日本を含めた、全世界における死刑廃止を引き続き積極的に追い求める。われわれはそれを、建設的な精神を持って、また国連人権理事会の普遍的・定期的レビュー(UPR)の枠組みにおける勧告に則って行う。
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