さいたま地裁は２７日、覚せい剤取締法違反（使用、所持）の罪に問われた埼玉県春日部市の男性被告（４５）に無罪（求刑懲役４年）の判決を言い渡した。トイレに行かせずに実施した所持品検査について「許容限度を超えており違法」と述べ、提出させた覚醒剤の証拠能力を否定した。
被告は昨年１１月２６日、さいたま市岩槻区のゲームセンターで所持品検査を受け、覚醒剤を所持していた疑いで現行犯逮捕された。
結城剛行裁判官は判決理由で、職務質問を受けた被告が便意を訴えて目の前で排便したのに、証拠隠滅を恐れた警察官が、トイレに行く前の所持品検査を求めて立ちふさがったと指摘。薬物事犯に関わっていると疑わせる具体的な事情がなく「所持品検査の必要性も緊急性も高くない状況だった」と述べた。
さいたま地検の古谷伸彦次席検事は「判決内容を精査し、適切に対処したい」とコメントした。
https://www.sanspo.com/geino/news/20180727/tro18072721010018-n1.html
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