世界自然遺産・白神山地(青森、秋田両県)のシンボルで、樹齢400年以上のブナの巨木「マザーツリー」(青森県西目屋村)が、幹の途中で折れていたことが分かった。日本海側を北上した台風21号の強風で折れたとみられる。東北森林管理局津軽森林管理署は7日、被害状況を調査し、周辺を立ち入り禁止にした。
マザーツリーは高さ約30メートル、幹回り4.65メートルの老木。今年で世界遺産登録25周年の白神山地を望む津軽峠付近にある。道路のすぐ近くで気軽に見ることができるため、多くの観光客に親しまれてきた。
昨年6月、青森県樹木医会専務理事兼事務局長の斎藤嘉次雄さんが診断したところ、枝が腐るなど弱っていることを確認。ボランティア団体「津軽人文・自然科学研究会」が周辺に土壌改良剤などを加えて初めて治療を行うなど、関係者が樹勢回復に努めてきた。
同管理署が7日に行った調査では、高さ9メートルの部分で分かれた約20メートルと約16メートルの2本の幹が折れ、地面に落ちていた。気象庁によると、台風21号が通過した4日夜、近くの深浦町で最大瞬間風速41メートルを観測するなど県西部では強風が吹いた。同管理署は老朽化に加え、台風による強風が原因とみている。
この日は観光客や同研究会の会員らが訪れ、変わり果てた姿に落胆していた。東京都から観光で訪れた太田泰人さん(66)は「見てびっくりした。痛々しい」。同研究会の原田正春理事長(68)は「ブナの樹齢は約300年と言われるので、よく頑張ったと思う。根元から折れてはいないので、まだ生きている。何とか回復してほしい」と話した。
西目屋村の関和典村長は「以前の雄大な姿を見ることができないことは寂しい限りだが、この姿も縄文から続く自然のサイクルの一コマであると思う」とのコメントを出した。【藤田晴雄】
https://mainichi.jp/articles/20180908/k00/00m/040/034000c
0 件のコメント:
コメントを投稿