20日投開票の自民党総裁選は、安倍晋三首相(党総裁)と石破茂元幹事長の議論がかみ合っていない場面が目立つ。対等な立場で長期間の政策論争を求める石破氏に対し、現職首相への挑戦は退陣要求と同義と位置づける首相は「格の違い」を印象付ける傾向があるためだ。論戦の背景にあるこうした意識の差は大きく、両陣営ともいら立ちを募らせている。
■角福戦争引き合い
「そういう人がいるなら名前を言ってもらいたい。いろんな人が疑われて非常に嫌なことになっている」
首相は石破氏と出演した17日のテレビ朝日番組で、石破派の斎藤健農林水産相が首相支持議員から「石破氏を支持するなら辞表を書け」と迫られたとされる発言にこう反論し、圧力との声を牽制した。
日本テレビ番組では、田中角栄、福田赳夫両元首相らの抗争を引き合いに「角福戦争のころは、こんなものじゃない。もっと激しい言葉もあった」と紹介。石破氏が「そうした発言が出ることは決して良い自民党だとは思わない」と批判すると、首相は「選挙はそういうものだ」と一蹴した。
このように2人の意識は遠く離れている。16日に津市で開かれた党主催演説会では、首相が政権奪還後に雇用が増えた実績を交えながら「当時の田村憲久厚生労働相も大変ご苦労された」と石破派の田村氏を持ち上げた。首相と石破氏は壇上で数秒間、笑顔で言葉を交わしたが、終了後は目も合わせずに立ち去った。
https://www.sankei.com/politics/news/180918/plt1809180005-n1.html
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