強い台風21号は4日午後、近畿や北陸地方を縦断した。記録的な暴風や高潮となり、関西国際空港では最大風速46.5メートルを観測。自動車メーカーなどが工場の操業を休止するなど関西地方を中心に広範囲で企業活動に影響が出ている。大阪湾ではタンカーが関西空港連絡橋に衝突し、関西空港は閉鎖。空港復旧の見通しは立っていない。航空便への影響が長期化する恐れもあるなど都市機能がマヒしている。
安倍晋三首相は4日午後、首相官邸で開いた豪雨非常災害対策本部会議で「自治体や関係機関と連携し、被害の拡大を極力防ぐため全力を尽くしてほしい」と指示した。首相は同日予定していた福岡県訪問を取りやめ、台風の災害対応にあたった。
台風が直撃した4日、自動車メーカーではトヨタ自動車のほか、ダイハツ工業が工場の稼働を取りやめた。ダイキン工業のほか、クボタなども大阪府内の工場などを休業した。従業員による通勤での安全確保などを重視したことがある。
第5管区海上保安本部(神戸市)によると、午後1時半ごろには関西国際空港と対岸を結ぶ連絡橋に、停泊中のタンカー宝運丸が衝突。台風による強風の影響で流されたとみられる。衝突場所は関空から約20メートル付近で広範囲にわたって橋脚などが損傷した。
連絡橋は人工島にある関空と陸を唯一結び、上部を車、下部を鉄道が走る2層構造。連絡橋を管理する西日本高速道路(NEXCO西日本)によると「復旧にはかなりの時間がかかる」という。
関空では高潮で滑走路の護岸を乗り越えたとみられる海水が滑走路に流入。1本の滑走路が冠水し、午後3時には閉鎖した。関空島では利用客ら約3千人が孤立状態になっている。関西エアポートは「空港全体が冠水したのは初めて。再開見通しを立てられない」としており、5日の関空発着の空の便では欠航が相次ぎ、物流や観光、出張などへの影響がさらに拡大する可能性がある。
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ライフラインにも被害が出ており、関西電力管内では午後5時現在、2府6県で約160万戸が停電した。「すべてのお客様への送電再開には、なお時間がかかる見込み」(同社)
気象庁によると、台風21号は4日正午ごろに徳島県南部に上陸した後、午後2時ごろに神戸市付近に再上陸し、同日夜に北陸地方から日本海に抜けた。台風の北上に伴い、西日本から北日本にかけて大気の状態が不安定となり、各地で非常に激しい雨が降る見通し。台風は5日朝には温帯低気圧に変わる見込み。
5日午後6時までの24時間に予想される雨量はいずれも多いところで、東海300ミリ、関東甲信200ミリ、北海道180ミリ、北陸と東北150ミリ、近畿100ミリ。5日までに予想される最大風速は近畿、東海、北陸が35メートル、北海道、東北が30メートル、四国、中国が23メートル。波の高さは東海10メートル、近畿9メートルなど。
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