2018年9月16日日曜日

松本清張全集62冊消える 「地元出身の著者なのに…」北九州の図書館

 空白の1日、清張作品いずこに-。北九州市立中央図書館は16日までに、「松本清張全集」全66冊のうち62冊が貸し出し用書棚からなくなったと発表した。本を点検してから翌日までのうちに大半が消えており、被害額約20万円の窃盗事件として福岡県警小倉北署へ15日に被害届を出した。同館は「地元出身の大家の著作に、何が…」と首をかしげている。

 同館によると、8日午前9時ごろ、司書が開館前の巡回で、書棚に異常がないことを目視で確認した。だが、翌9日の同時刻に見回った別の司書が、1階の松本清張コーナーで全集の57冊分がないことに気付いた。貸し出し状況の確認などのために書棚を離れ、開館直後の同日午前9時35分ごろに戻ると、さらに5冊分が消えていた。書棚には貸し出し中の3冊を除く最終巻だけが残った。

 清張コーナーは貸し出しカウンターから約10メートルの場所にあるが、受付担当者や防犯カメラからは死角となっていた。無断持ち出しを知らせる警報設備は、館内になかった。

 本は縦19センチ、横13・5センチで、約600~800グラム。62冊分の重さは計約40キロという。同館の担当者は「一度に数十冊を盗むのは難しい。1冊だけ残っていたのは、何かのメッセージだろうか」といぶかしむ。

 故松本清張さんは現在の北九州市出身で、平成4年に82歳で死去した社会派推理作家。「点と線」「砂の器」といった作品で知られる。

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http://www.sankei.com/west/news/180916/wst1809160035-n1.html

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